【京都市・弁護士】親子関係の基本的な規律の見直し／中島宏樹法律事務所

京都市所在の中島宏樹法律事務所です。

今日は、親子関係の基本的な規律の見直し、について説明させていただきます。

１　父母の責務等の明確化

（１）子の人格権の尊重

改正後民法８１７条の１２第１項前段は、「その子の人格を尊重するとともに、その子の年齢及び発達の程度に配慮してその子を養育しなければならならず」と定め、子の人格権の尊重、この年齢及び発達の程度への配慮等が親の責務であることが明文化されました。

（２）子に対する扶養義務

改正後民法８１７条の１２第１項後段は、「その子が自己と同程度の生活を維持することができるように扶養しなければならない」と定め、親の子に対する扶養義務が、生活扶助義務（義務者が自己の生活を犠牲にしない程度で権利者の最低限の生活扶助を行う）ではなく、生活保持義務であることが明文化されました。

（３）父母間の人格尊重・協力義務

改正後民法８１７条の１２第２項は、「父母は、婚姻関係の有無にかかわらず、子に関する権利の行使又は義務の履行に関し、その子の利益のため、互いに人格を尊重し協力しなければならない」と定め、離婚後も父母双方が協力して養育に関して責任を果たしてゆくべきことが明文化されました。

２　親権の性質の明確化

改正後民法８１８条１項は、「親権は、成年に達しない子について、その子の利益のために行使しなければならない」と定め、親権が子に対する支配権ではなく、子の利益ために行使されるべきことが明文化されました。